MF名古屋では統率者選手権+合間のフリプだけで疲れてしまったので、結局ほかでプレイはやらなかった。普段の手なりのプレイと違って、公式の大会ということで大分考えたのもあって(?)、今日は頭痛が痛かった()ので、FOIL漁って終了。

使ったトラティムについて書こうと思うが、デッキリストの前に立ち回りから書くという新しい試みをしようかなと。ただし立ち回りには正解は無いと思うし、今回自分が書くことは、今現在の特定のプレイングを対象にした立ち回りであり、この立ち回りをそのままコピーしても環境に合わなければ意味が無いし、それこそここに書いた立ち回りをする人が2人も3人もいると、差別化する何かがないと当然勝てない。あくまで統率者選手権の時に想定して実践した話。


EDHはコンボ博覧会ではなく駆け引きのゲームなので、カードのリストやコンボ解説はデッキの基本の構造を知らない人向けの内容であり、知りつくされたトラティムでやることではない。カードの採用理由は組合せや構築の綺麗さでの取捨選択ではなく、立ち回りから内容を弄った面も大きいので、そこに至る経緯から書く。世の中の需要は、抽象的な立ち回りの話よりも分かりやすいデッキリストだと思うが、自分に必要なことは前者。ゆうて自分の“メモ的なあれ”なんで。


今現在、名古屋周辺にはEDHの洗練されたコミュはなくて多分単発でプレイヤーがいる程度。大会では他の地域の遠征組もいるので一概には言えないが、今回出てくるデッキとしてはトラティム、イナーラのコピーデッキか、いわゆるカジュアルよりの、いっぱい除去入りデッキが多いと予想。ハルクイナーラの漠然としたヤバさだけ周知されて墓地対策がやたら厚いことも考えた。この点は、まあ予想通りだった。

実戦ではEDHでのメジャーカード(と自分は思うもの)の効果を知らない人は多く、カードやデッキを知らない影響もあってかカウンターや除去を使うタイミング、仕掛けるタイミングが最適では無いと思う場面が多くて、おかげで自分が立ち回りでめちゃくちゃ得をして勝てた。以前の晴れコマで、1ターン目の息詰まる徴税のFoWに対して、もの申したわけだが、対戦相手にはこういう妨害の切り方をしてくれる人が沢山いて欲しいし、実際に沢山いた。


EDHで殴りジェネラルが難しいというのはガチプレイヤーには比較的周知されていることだが、実はリセットやパーマネント破壊も殴りに準じるような難しさがあると思っている。

除去はカウンターより対処できる幅が狭くギリギリまで待てない関係で、先の展開まで見据えて破壊をする必要がある。「魔力の墓所スタートやばい」ですぐに活性の力を使う人がいると、壊す方でも壊される方でもない第三者としては、ものすごく有難い。でも、すぐ切らないと恩恵は薄くなっていくんだよね。こういうチキンレース的なジレンマがある以上、持ってる側は絶対に使うことになる。

とういわけで、活性の力は難しくて自分は使えないので採用していない。

中盤以降腐るマナクリを活用できるという考えもあるかも知れないが、自分はトラティムのマナクリはいつまでも出す意味があるカードだと思っているので、そこそこカードを引いただけの場合、切るほどは余らない。

そもそもEDHのコンボの主戦場が生物なので活性の力を腐らせると言うこともあるが、振り返ったときに「この打ち所は最適だった」と思うことはなくて、結局相手の先の展開なんて読み切れないので、自分が考えたことが当てはまるかどうかの運ゲーになる。殴りも除去もハマったときには相手の展開や手札を読めた気になっているが、思い返してみると実際にそれは“読む”ための情報の根拠は乏しくて、ただ相手の手札やこの先のドロー、展開がこうであってほしいという希望と現実が噛み合った運ゲーに勝っただけと思えることが多い。

会場でもチューター➡毒の濁流でマーウィンを殺し、次のイナーラが勝ちを持っていくなんて場面は実際にあったが、イナーラは内心ウッキウキだったでしょう。活性の力、毒の濁流というのは採用する以上はどこかで使いどころを見出さないと当然ディスアドになってしまうのだが、これらのカードはこの先の展開を断言できない以上、使うこと自体が運ゲーで自分の勝率を落とすものだと考えた。

「対象の、沢山展開をしたプレイヤーの妨害をする。ついでに他の大して展開していないプレイヤーに少し妨害する」こういうカードは多人数では複数の人を巻き込んで、1:2というかそれ以上のアドを取って得な気がするけど、実際にはそうでもない。その妨害に対するカウンターを二人から受ける可能性がある。一方で、一人にしか影響がない妨害カードだったら一番危険な人がカウンターで対抗しても、他のプレイヤーからの追加のカウンターなど支援も得られるかも知れない。

皆に悪影響が出てお得!というカードは大抵は言うほど得してない。立ち回りの上では損するか得するか分からない運ゲーカードという解釈。


ちなみにカウンターの使い方は簡単である。死ななければ全部通す。これで良い。

もっと早くカウンターを使っておけば良かったと後悔する場面も当然あるだろうし、実際に使っておいた方が良い局面もある(これはレトロに見てではなく、見えない手札と展開を加味したその場での前向きの判断としての話)。しかしトータルで見ると、我慢し続けた方が勝率は高いと思う。「死ななければ通す」、これで概ね正解になる。だからEDH初心者に渡すなら、除去は少なめでカウンターを使う即死コンボデッキが最適だと思う。妨害のやり取りはゲームをしている感も楽しいしね。


話は逸れたが、自分はこう考える、毒の濁流は使わないと思っても、実際に相手は使ってくるし使う人が多いので、使われないように工夫も必要。盤面だけを見る人も多い中、ガチ展開デッキは分が悪すぎる。ここでトラティムハルクの特徴が生きる。このデッキが慣れてないプレイヤーに絶大な力を発揮する理由でもあるが、このデッキは派手な展開は不要。魔力の墓所スタートをしなくていい。チューター➡魔力の墓所➡印鑑➡闇の腹心とか、ワクワクするようなEDHらしい展開で楽しいのだが、これは除去マンたちの的になるだけだし、別に勝てる行動ではない。この時に自分はトラシオスを出して、即死コンボだけをカウンターで弾くつもりでずっと待っていれば、誰かが何とかしてくれる。結果的にマナアーティファクトを壊滅されたプレイヤーはテンポアドすら、何もしていなかったトラシオスの下に回ることになる。展開でアドなんて取らなくても立ち回りで取り返せる。これが闇の腹心ではなくて、ボーラスの城塞のような魔王戦でも立ち向かえそうなカードを出されたとしても、それでも対処は他のプレイヤーに任せて黙々と土地を置く。ボーラスの城塞に霊気貯蔵器か独楽のどちらかを追加されても通す。ここまでチキンレースすると、誰かが何かを使ってくれるし、使わなかった時点で妨害が薄いだろうと推測できる。少なくともこの記事を書いている今の段階では。そうしたら、次の自分のターンで温存したカウンターをバックアップにコンボスタートである。これは、魔力の墓所からゴチャゴチャ闇の腹心なんてやっても、手札が薄くなりコンボがしばらく決まらないことが確定してしまうし、またその手のデッキを使ったことがあると、止めどころをが何となく分かるので、ギリギリまで待って引っ張れるからというのもある。

よくトラシオスはカウンターを構えながらカードを引けて強いと言われるが、トラシオスの強さはそれではない。実際にゲーム中に引くカードは2-3枚かそれ以下のことも多い。そして、この数枚程度のアドは妨害の矛先が自分に向くかどうかですぐに帳消しになる。正直なところ、アドなんて取らなくても、失わなければ相対的に得をして勝てる。自分の起こしたアクションに妨害をされないというのが大前提で、その上でアドを上乗せすれば、2-3枚しか引いて無くても実際には相対的に多くのアドを取っている。これがトラシオスの強さ。



ちなみに今回の決勝卓の話。

トラティムA➡トラティムB➡トラティム(自分)➡赤黒グレンゾとなったが、卓を囲んだ時点で厳しいと思った。他のトラティム二人は自分が予選ラウンドで勝っているし、唯一の全勝者ということもバレているので、何か危険なアクションを起こさなくても漠然と危ないという認識だけでマークされて損をするから。これは自分の考えの浅はかさもあったけど、決勝卓に残るつもりなら予選ラウンドで当たった人ともう一回対戦することになるわけで、手の内が割れて立ち回りで得を出来ないパターンに対して、構築側で何も準備してなかったので、どうにもならなかった感もある。

実際のゲーム内容は、自分は勝ちに繋がるアクションも危険な行動(サイクロンの裂け目超過など)も全く起こさず、つまり自分が原因で卓の妨害を使わせるような愚行はしなかったのだが、下座の赤黒グレンゾが勝ってしまった。ひとつキーになった場面は、グレンゾが波止場の恐喝者を唱えたときに、なぜかトラティムBがサイクロンの裂け目を超過したこと。欲張って波止場の恐喝者を無駄撃ちさせつつ全員叩くつもりだったのかも知れないが、それを通すと一番下座のトラティムの自分が死ぬので、勿論カウンター。グレンゾが盤面を作るまでに受けた妨害はこのサイクロンの裂け目だけで、しかも誰かに守って貰える最高の立ち位置。何なら髑髏蛇でアド得まであった。そして自分は、リセットをカウンターして他のプレイヤーのサポートを強要されるという最悪の立ち位置になってしまった。ぶっぱを繰り返すトラティムABに対して自分の妨害を吐き出しただけで、自分が死なないように動くことが結果的にグレンゾを助け続けることになってしまった。対戦相手にやらせたくて自分が一番やりたくなかったゲーム運びで、この時点で敗色濃厚だった。まあ予選ラウンドの分マークされることと、トラティムABがグレンゾだけでなく、ごみ引きずりや通電式構成物の効果を知らなかった時点でEDH慣れしていないのは確定で、初見殺しの要素も上乗せされて負けは確定していたようなもの。この決勝卓を、頭をリセットして何度やり直したとしても、自分は勝てなかっただろうし、グレンゾの勝率が絶対に高いだろう。納得の結果でもある。


手の内がバレてマークがキツくなったときにどうするかというのは、次の構築の課題かな?

とはいえ突き詰めると身内メタと身内メタ返しになりそうだけど。


今回のデッキを組む上での前提の話で大分長くなってしまった。続く。

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