久しぶりにクソ長文を書いた。持論を語るだけで大した内容でもないので、読まれる方は覚悟してください。先にスクロールして全体像をみて、冷静に閉じて貰えるとよいです。
・Timetwisterは上手く使うと強い
・Timetwisterは賛否両論
こういう風に解説された記事はよく見るが、具体的に負けないビジョンまで繫がる考察はあまりみない(ここでは敢えて負けないことを優先して論じます)。
確かに強いときは強い。しかし個人的には、むしろ負け筋を作ってるだけでは?と思うこともある。
手札がスカスカの時に使って7枚も引けて強い~と目に見える部分だけ印象に残りやすい点もこのカードを考える上で惑わされる。
高いクセに扱いにくい、でも魅力的なTimetwisterをどう使っていくのかを自分なりに考えてみた。
ちなみにTimetwisterに限定せず、類似の7ドローや意外な授かりものも同じである。
Timetwisterの善し悪しを考える上で、圧倒的に足りないのは、相手に7枚与えるデメリットに対する掘り下げ。ここを、デメリットというだけで片付けてはいけないが、一方で7枚与えることをこれ以上どう議論するのかという問題もある。ここで大事になるのはEDHが多人数であり、妨害のやり取りは自分 vs 相手だけでなく、相手 vs 相手が存在して、それにより間接的にアドを得られること。すなわち、何度かこのブログで語っている立ち回りの話。
立ち回りに関する自分の考えで、一番まとまった記事は↓の辺だと思うので、良ければ参考にしてください。
https://wwwwwwwwwwwwwwwww.diarynote.jp/201911031925041511/
閑話休題。
Timetwisterを使用して自分が考えることは、次のターン以降に勝つことである。いや、というか、これだけだと漠然としすぎている。具体的には
・相手に妨害のやり取りをさせて手札を消耗させる
・必要に応じて何周か待つ
・時が来たときにカウンターをバックアップにコンボスタート
これだけである。
まず、Timetwisterを使用してそのターン中に勝つことを前提にする構築は弱い。これは断言できる。これで勝てるのは、相手のデッキやプレイングと自分のそれらとがかけ離れている場合だけ。
基本的に3マナ使った上で、何が来るか分からない7枚補充をもってコンボを揃えて使うことは困難だし、そこにさらに相手への妨害を防ぐ手段も加えようものなら…
もちろん、たまには運良く展開してそのまま勝てることもある。だが冷静に考えて欲しい。Timetwisterを使用してそのターン中にゲームを決められた回数と、エンドした回数、どちらが多いか。圧倒的にエンドである。
過去の記事でも語ったように、EDHでアドを稼ぐ手段は、自分が大量ドローをするだけではない。カードを引かず、黙々と土地を置いているだけでも、相手同士が勝手につぶし合ってくれれば、相対的にアドが取れる。いわゆる漁夫の利。
Timetwisterを使用した場合は特にこの点を意識しなければならないと思っている。もしも卓の中で自分が最も展開して、アーティファクトでもクリーチャーでも一杯並べれようものなら、全ての妨害が自分に向いて、本当に7:21交換となってしまう。それでは駄目なのである。相手 vs 相手を仕向けなければ。
少し話は逸れるが…
EDHでの他人への妨害の入れ方は千差万別だが、一定の傾向がある。それは、どのプレイヤーも必ずボードから意識する。
他人のデッキを熟知し、どの適度展開したら勝てるのか(逆に勝てないのか)を把握して妨害を入れるプレイヤーはまずいない。必ず盤面の脅威度をランク付けする。3ターン先に誰がコンボを決められるかを考えて動く人は、いないと考えて良い。人のデッキまで熟知している人は希少だからね。
緑のエルフが全除去を受けて、次のイナーラがコンボを決めるという展開はEDHでは必然なのである。
エルフというのは、とても分かりやすいデッキで、その並び次第では基本的に次のターンに決まらない盤面というのは良くある。でも、そんなことはお構いなしにリセットを引いた人は嬉々としてつかう。アドを取れた気になって。でもその裏で相対的に得をしているプレイヤーと、密かに手札でコンボを揃えるプレイヤーの勝利までの道筋を見落としている。だから、最後に勝つのは受け身で余り展開せず、手札に揃えて少ないマナでコンボするデッキなのである。
もちろん、たまには緑が圧倒的な展開で押し切れるでしょう。しかし一方で青いデッキも少なからず高速でデモコン+タッサの神託者を決めている。印象に残るのは…
もちろんガチャガチャ展開するデッキで、数をこなすほど展開を阻止しなければという気持ちが強まってしまう。
そもそもデッキに入っている妨害が、全除去や生物除去だらけだったりして、タッサの神託者は止められないから無視するという考えもあるかもしれない。まあ、これはそもそも構築ミスともいえるし、カラーリング的に妨害することが厳しいのであれば、展開するデッキをほどほどに生かして青を殴り倒させる立ち回りを行うべきである。明らかなプレイングミスでもある。リセットをするのではなく、緑のコンボの核になる部分だけピン除去で落として、残りの生物でアタックさせる。
さて、本題に戻そう。
自分はTimetwisterを使う上で、構築側で用意すべきは、アーティファクトを開幕にガチャガチャ展開して、2-3ターン目に一気に補充する事だと思っていた。でも、結果的にこれは余り勝てないことにも気付いた。展開したアーティファクトを汚損破で潰されたり、刻み角や活性の力でちょくちょく潰されちゃったりして、最初の展開で稼いだアドを失う。
これの何が悪いのか。
まず第一に、先ほどから何度も出てくる立ち回りの話。ボードに一杯並べれば、妨害が全て自分に集中するのは明白。なぜならばプレイヤーは基本的にボードの善し悪しで妨害の矛先を決めるから。7枚引いた自分のカードがイマイチだった場合には目も当てられない。
また、アーティファクトをガチャガチャすることを狙っても、そもそも勝てないことにも気付かなければならない。
魔力の墓所、モックス、印鑑とぶっぱなして、妨害されずにTimetwisterが気持ちよく決まるゲームがどれだけあるか。ほとんど無いのである。
多くのデッキの場合、アーティファクトはマナ加速にしかすぎず、このマナ加速と相性の良いカードという理由での選定は少し考えた方が良くて、ここに固執して逆に勝利への道筋を見誤ってはいけない。アーティファクトは妨害カードをみんなしっかり積んでおり(メジャーな勝ち筋のタッサの神託者の対策は積んでなかったりするのにね)、油断すればすぐに盤面をズタズタにされる。アーティファクトでコンボを決めようとするなら、なおさら目立たないようにするべきである。多くの展開はアーティファクトは印鑑が絡む関係で、緑のマナクリスタートよりも遅く、適当に普通に動いていれば必ず2番手の展開になり(緑とかティムナの方が目立つので)、先に緑から潰して貰える。その構築の基本的な骨格から得られるメリットを生かすのもひとつである。必ずしも吸血の教示者で魔力の墓所サーチが正解とも言えない。
また、一見して7ドローと相性が良さそうに見えて、実はとても悪い場合もある。
例えば、のたうつ嵐、ザイリス。コイツの存在下で7ドローを打つと21体の蛇トークンが出る。
とても目立つ!
盤面に固執したプレイヤーが、ちゃんとチューター経由でリセットを用意して、ジェネラル含めて一掃してくれるでしょう。それくらいなら、ザイリスを殺されないようにコツコツと殴っていた方が良かったよね、ってなる。
ザイリスがTimetwisterを使って良いのは、既にパーフォロスを設置済みの場合、すなわち即死コンボになるときだけ。大地の知識、ガイアの揺籃の地は相性が良さそうに見えるが、新たに引いた7枚の中に決めきれるカードがあるかどうかは運次第なので見切り発車になりがち。せっかくジェネラルが安定したドローソースなんだから、そんな不安定なお祈りなんてせず、常に2番手3番手になるように展開して、展開のトッププレイヤーをちゃんと作り上げ、他に引かせる相手をしっかり作る(=引かせたカードを自分以外に使わせるように敵を用意してあげる)ことこそが、最善の立ち回りである。
じゃあ、逆にどんなデッキならTimetwisterを生かせるのか。僕が考える条件はこんな感じ。
・概念泥棒、聖別されたスフィンクス、サイクロンの裂け目、沿岸崩壊などのゲームを決めうるコンボがある(ナーセットでは駄目。後述。)
・ボードに目立つ展開をし難いデッキ。
・遅いデッキ
まず、コンボのパーツにするのであれば、Timetwisterはパーツ単体としての機能は多くのコンボパーツより上なので良い。ただ組み合わせる相手が少ないと、結局揃えることもチューターで引っ張ってくることも少なくなってしまうので、タッサの神託者以外に余分なコンボは要らないじゃん?ってなる。それなりに多く積んでおきたい。
ちなみに覆いを割く者、ナーセットが駄目な理由は自分が沢山引けないので決めきれないから。相手の手札が飛んで強そうに見えるかも知れないが、一方で今ある盤面と相手のジェネラルを全て自分で捌かないといけなくなる。ナーセット+Timetwisterを決めて、誰も妨害できなくなったところで、ズアーキャスト➡次のターンアタック即死なんて決まったことも実際にあるし、アホくさいと思ってしまう。というわけで組み合わせとして、ナーセットは無し。もちろん自分がとてもパワフルなジェネラルやボードコントロールに優れたジェネラルなら話は別だが。
考え無しに使うと裁ききれずに誰かが走り抜けてしまうかもしれないので、最低限の使いどころとして、このようなコンボという逃げ道は用意しておきたい。
そしてさらに大事なのは、自分に妨害の矛先が向きにくいデッキであること。この辺りは環境による匙加減が様々となるので一概に語れないし、プレイングにも噛んでくるのだが、要は
「自分が展開の2番手、3番手の時に使う」
これである。これはプレイング云々もあるが、そもそも構築によって使いやすさが変わると言うことでもある。ぶっぱしすぎるデッキには向いてない。ヘイトマックスのズアーに入れると、もともと集中砲火で勝ちにくいデッキなのに更に勝てなくなる。
Timetwisterは対戦相手同士でトッププレイヤーを潰してもらうための、つまり「相手への妨害カード」として起用することになる。
「手札補充手段としては考えない」
これが今の僕の考え。相手が相手を妨害するカードである。コンボパーツであり、コンボしないときには特殊な妨害カードという扱い。
妨害のやり取りを挟んで貰う以上、もちろん遅いデッキの必要がある。じっくりとアドが取れるデッキ。理想的には妨害されにくい土地をしっかりと並べられるデッキが良いと思う。
例えばケスのWheel of Fortuneは結構向いてると思っている。
まず概念泥棒や聖別されたスフィンクスは採用しうるカードだし、ケスは展開で出遅れがちなので、例えばマーウィン&ズアーなんかのようにぶっぱデッキが二人以上いると、沿岸崩壊などリセットで時間を稼がないと間に合わない。WoFのコンボを無理やり起用することなく、自然と組み込める(もちろんWoF側に相応の理由があればだが)。
印鑑とか適当に並べて構えるプレイングをしていると、自然と程良く出遅れて、相手がわさっと展開したところに妨害のやり取りが発生する。自分はそれを横目に見ながら土地を並べて待つ。ケス自体の能力を生かす上でもロングゲームは大事だし、WoF自体のケスとの相性の良さも噛み合っている。すなわち、本来であれば貯めていたコンボパーツやカウンターを捨てるデメリットがあるのだがケスがいれば後で使える。カウンターも自分のターンで仕掛けるタイミングでは持て余すことなく使える。
ただ、ケスの残念なところは、色の兼ね合いで土地を安定して並べる手段が乏しいこと。ランパンを使い無いのは構わないが、セヴィンの再利用くらい使わせてくれ。アーティファクトを多用すると土地は削って爆発力を重視したくなるが、それはケスでやることではないので、
・多めの土地
・苦い真理など、継続して土地をセットするための細かいドロー
・場合によっては旅人のガラクタや真面目な身代わり
こんな風に、目立たないショボい行動を挟むと良い感じになる。
ただし、もちろんメインに狙うのはタッサの神託者であり、あまりにもコンボから遠回りしすぎてもいけないので、真面目な身代わりまで起用してロングゲームやる気満々にするかどうかは、環境次第で。最低限、土地を毎ターンセットできれば良いかなと思う。ケス存在下で
①タッサの神託者が捲れるまで汚れた契約
②タッサの神託
③墓地から汚れた契約でライブラリーを消す
このメジャーな1枚コンボはケスの展開と、6マナが必要になるので、真面目な身代わりは全く無しではないとも思うけども、土地を並べ続けることと少々の印鑑で十分といえば十分。
とりあえず、今の段階での自分の7ドローへの考え方はこんな感じ。そもそもこの考察はTimetwisterから始まっているのに、相性の良いデッキについて考えはじめた途端WoFしか語ってないが、これはTimetwisterが良い適応と思うデッキを自分が使い込んでいない=相手が使っているところを見ていただけだから。ちゃんとあると思っている。
議論の分かれるカードについて掘り下げてみるのは面白いし、ケスに旅人のガラクタの採用というのは、こういう別角度からみないと出てこない発想。旅人のガラクタが強いかどうかではなく、コンセプトに合致するカードはないかな、青黒赤で土地を追加で置けるカード…といった具合でピックアップされるカードである。ついでにやり過ぎて無限地帯なんていうゴミも入れちゃったりして。
デッキ内のカードについて話すにあたって、既に採用されたという事実がある前提で上から順に語っても、結論ありきでカードの採用側の理由だけを強調しているにすぎない。本来はコンセプトに合うかどうかで組み上げたはずなのに、その根本の理屈が抜け落ちてしまう。デッキのカード全てに理由があるにしても、極楽鳥のようにあまり考えることなく使って良いカードもあれば、Timetwisterのようにいくらでも議論することが出来るカードもある。また直接コンボしない二つのカードの相互作用など、単品の議論では限界なこともある。
最後に、相互作用について簡単に触れると。
Timetwisterについて散々語った後に言うのもあれだが、個人的には3色以上の構える青いデッキならば、苦い真理の方が断然使いやすいと思う(強いかどうかとは別)。Timetwisterは構築側だけではどうしようもない場の状況によって強さが左右されやすく、タイミングを伺うカードである以上、他の採用カード達はすんなりと無条件で使えるものが多くないと、結果的に手札で死に札がふえる。手札で腐るのはコンボパーツの片割れだけではないからね。そういう意味でも「Timetwisterは妨害枠」という僕の意味不明な持論は理にかなっていると思っていて、妨害カードと同じように使いどころを考えて手札に残す場合もあって、考え無しに直接展開できるカードではない。もっといえば、初手にたくさん溜まるほどマリガンの要因になってしまうカード群(コンボパーツや除去など)のうちの1枚で、いつでも気にせず使えてキープ基準になる苦い真理とは大きな隔たりがある。
ややこしい話だ。
というわけで、まとめると、Timetwisterは上手く使うと強い。
冒頭で否定した文面そのままでまとめるとか舐めてるのかと思われるかもしれないが、一言で著すとそう言わざるを得ない。なんてこったい。
実はこれだけ書いても自分の中でモヤモヤしている部分はあって、イマイチ論じ切れてない。もう少しTimetwisterを使い続けて、また何か思い立ったら書こうと思う。
・Timetwisterは上手く使うと強い
・Timetwisterは賛否両論
こういう風に解説された記事はよく見るが、具体的に負けないビジョンまで繫がる考察はあまりみない(ここでは敢えて負けないことを優先して論じます)。
確かに強いときは強い。しかし個人的には、むしろ負け筋を作ってるだけでは?と思うこともある。
手札がスカスカの時に使って7枚も引けて強い~と目に見える部分だけ印象に残りやすい点もこのカードを考える上で惑わされる。
高いクセに扱いにくい、でも魅力的なTimetwisterをどう使っていくのかを自分なりに考えてみた。
ちなみにTimetwisterに限定せず、類似の7ドローや意外な授かりものも同じである。
Timetwisterの善し悪しを考える上で、圧倒的に足りないのは、相手に7枚与えるデメリットに対する掘り下げ。ここを、デメリットというだけで片付けてはいけないが、一方で7枚与えることをこれ以上どう議論するのかという問題もある。ここで大事になるのはEDHが多人数であり、妨害のやり取りは自分 vs 相手だけでなく、相手 vs 相手が存在して、それにより間接的にアドを得られること。すなわち、何度かこのブログで語っている立ち回りの話。
立ち回りに関する自分の考えで、一番まとまった記事は↓の辺だと思うので、良ければ参考にしてください。
https://wwwwwwwwwwwwwwwww.diarynote.jp/201911031925041511/
閑話休題。
Timetwisterを使用して自分が考えることは、次のターン以降に勝つことである。いや、というか、これだけだと漠然としすぎている。具体的には
・相手に妨害のやり取りをさせて手札を消耗させる
・必要に応じて何周か待つ
・時が来たときにカウンターをバックアップにコンボスタート
これだけである。
まず、Timetwisterを使用してそのターン中に勝つことを前提にする構築は弱い。これは断言できる。これで勝てるのは、相手のデッキやプレイングと自分のそれらとがかけ離れている場合だけ。
基本的に3マナ使った上で、何が来るか分からない7枚補充をもってコンボを揃えて使うことは困難だし、そこにさらに相手への妨害を防ぐ手段も加えようものなら…
もちろん、たまには運良く展開してそのまま勝てることもある。だが冷静に考えて欲しい。Timetwisterを使用してそのターン中にゲームを決められた回数と、エンドした回数、どちらが多いか。圧倒的にエンドである。
過去の記事でも語ったように、EDHでアドを稼ぐ手段は、自分が大量ドローをするだけではない。カードを引かず、黙々と土地を置いているだけでも、相手同士が勝手につぶし合ってくれれば、相対的にアドが取れる。いわゆる漁夫の利。
Timetwisterを使用した場合は特にこの点を意識しなければならないと思っている。もしも卓の中で自分が最も展開して、アーティファクトでもクリーチャーでも一杯並べれようものなら、全ての妨害が自分に向いて、本当に7:21交換となってしまう。それでは駄目なのである。相手 vs 相手を仕向けなければ。
少し話は逸れるが…
EDHでの他人への妨害の入れ方は千差万別だが、一定の傾向がある。それは、どのプレイヤーも必ずボードから意識する。
他人のデッキを熟知し、どの適度展開したら勝てるのか(逆に勝てないのか)を把握して妨害を入れるプレイヤーはまずいない。必ず盤面の脅威度をランク付けする。3ターン先に誰がコンボを決められるかを考えて動く人は、いないと考えて良い。人のデッキまで熟知している人は希少だからね。
緑のエルフが全除去を受けて、次のイナーラがコンボを決めるという展開はEDHでは必然なのである。
エルフというのは、とても分かりやすいデッキで、その並び次第では基本的に次のターンに決まらない盤面というのは良くある。でも、そんなことはお構いなしにリセットを引いた人は嬉々としてつかう。アドを取れた気になって。でもその裏で相対的に得をしているプレイヤーと、密かに手札でコンボを揃えるプレイヤーの勝利までの道筋を見落としている。だから、最後に勝つのは受け身で余り展開せず、手札に揃えて少ないマナでコンボするデッキなのである。
もちろん、たまには緑が圧倒的な展開で押し切れるでしょう。しかし一方で青いデッキも少なからず高速でデモコン+タッサの神託者を決めている。印象に残るのは…
もちろんガチャガチャ展開するデッキで、数をこなすほど展開を阻止しなければという気持ちが強まってしまう。
そもそもデッキに入っている妨害が、全除去や生物除去だらけだったりして、タッサの神託者は止められないから無視するという考えもあるかもしれない。まあ、これはそもそも構築ミスともいえるし、カラーリング的に妨害することが厳しいのであれば、展開するデッキをほどほどに生かして青を殴り倒させる立ち回りを行うべきである。明らかなプレイングミスでもある。リセットをするのではなく、緑のコンボの核になる部分だけピン除去で落として、残りの生物でアタックさせる。
さて、本題に戻そう。
自分はTimetwisterを使う上で、構築側で用意すべきは、アーティファクトを開幕にガチャガチャ展開して、2-3ターン目に一気に補充する事だと思っていた。でも、結果的にこれは余り勝てないことにも気付いた。展開したアーティファクトを汚損破で潰されたり、刻み角や活性の力でちょくちょく潰されちゃったりして、最初の展開で稼いだアドを失う。
これの何が悪いのか。
まず第一に、先ほどから何度も出てくる立ち回りの話。ボードに一杯並べれば、妨害が全て自分に集中するのは明白。なぜならばプレイヤーは基本的にボードの善し悪しで妨害の矛先を決めるから。7枚引いた自分のカードがイマイチだった場合には目も当てられない。
また、アーティファクトをガチャガチャすることを狙っても、そもそも勝てないことにも気付かなければならない。
魔力の墓所、モックス、印鑑とぶっぱなして、妨害されずにTimetwisterが気持ちよく決まるゲームがどれだけあるか。ほとんど無いのである。
多くのデッキの場合、アーティファクトはマナ加速にしかすぎず、このマナ加速と相性の良いカードという理由での選定は少し考えた方が良くて、ここに固執して逆に勝利への道筋を見誤ってはいけない。アーティファクトは妨害カードをみんなしっかり積んでおり(メジャーな勝ち筋のタッサの神託者の対策は積んでなかったりするのにね)、油断すればすぐに盤面をズタズタにされる。アーティファクトでコンボを決めようとするなら、なおさら目立たないようにするべきである。多くの展開はアーティファクトは印鑑が絡む関係で、緑のマナクリスタートよりも遅く、適当に普通に動いていれば必ず2番手の展開になり(緑とかティムナの方が目立つので)、先に緑から潰して貰える。その構築の基本的な骨格から得られるメリットを生かすのもひとつである。必ずしも吸血の教示者で魔力の墓所サーチが正解とも言えない。
また、一見して7ドローと相性が良さそうに見えて、実はとても悪い場合もある。
例えば、のたうつ嵐、ザイリス。コイツの存在下で7ドローを打つと21体の蛇トークンが出る。
とても目立つ!
盤面に固執したプレイヤーが、ちゃんとチューター経由でリセットを用意して、ジェネラル含めて一掃してくれるでしょう。それくらいなら、ザイリスを殺されないようにコツコツと殴っていた方が良かったよね、ってなる。
ザイリスがTimetwisterを使って良いのは、既にパーフォロスを設置済みの場合、すなわち即死コンボになるときだけ。大地の知識、ガイアの揺籃の地は相性が良さそうに見えるが、新たに引いた7枚の中に決めきれるカードがあるかどうかは運次第なので見切り発車になりがち。せっかくジェネラルが安定したドローソースなんだから、そんな不安定なお祈りなんてせず、常に2番手3番手になるように展開して、展開のトッププレイヤーをちゃんと作り上げ、他に引かせる相手をしっかり作る(=引かせたカードを自分以外に使わせるように敵を用意してあげる)ことこそが、最善の立ち回りである。
じゃあ、逆にどんなデッキならTimetwisterを生かせるのか。僕が考える条件はこんな感じ。
・概念泥棒、聖別されたスフィンクス、サイクロンの裂け目、沿岸崩壊などのゲームを決めうるコンボがある(ナーセットでは駄目。後述。)
・ボードに目立つ展開をし難いデッキ。
・遅いデッキ
まず、コンボのパーツにするのであれば、Timetwisterはパーツ単体としての機能は多くのコンボパーツより上なので良い。ただ組み合わせる相手が少ないと、結局揃えることもチューターで引っ張ってくることも少なくなってしまうので、タッサの神託者以外に余分なコンボは要らないじゃん?ってなる。それなりに多く積んでおきたい。
ちなみに覆いを割く者、ナーセットが駄目な理由は自分が沢山引けないので決めきれないから。相手の手札が飛んで強そうに見えるかも知れないが、一方で今ある盤面と相手のジェネラルを全て自分で捌かないといけなくなる。ナーセット+Timetwisterを決めて、誰も妨害できなくなったところで、ズアーキャスト➡次のターンアタック即死なんて決まったことも実際にあるし、アホくさいと思ってしまう。というわけで組み合わせとして、ナーセットは無し。もちろん自分がとてもパワフルなジェネラルやボードコントロールに優れたジェネラルなら話は別だが。
考え無しに使うと裁ききれずに誰かが走り抜けてしまうかもしれないので、最低限の使いどころとして、このようなコンボという逃げ道は用意しておきたい。
そしてさらに大事なのは、自分に妨害の矛先が向きにくいデッキであること。この辺りは環境による匙加減が様々となるので一概に語れないし、プレイングにも噛んでくるのだが、要は
「自分が展開の2番手、3番手の時に使う」
これである。これはプレイング云々もあるが、そもそも構築によって使いやすさが変わると言うことでもある。ぶっぱしすぎるデッキには向いてない。ヘイトマックスのズアーに入れると、もともと集中砲火で勝ちにくいデッキなのに更に勝てなくなる。
Timetwisterは対戦相手同士でトッププレイヤーを潰してもらうための、つまり「相手への妨害カード」として起用することになる。
「手札補充手段としては考えない」
これが今の僕の考え。相手が相手を妨害するカードである。コンボパーツであり、コンボしないときには特殊な妨害カードという扱い。
妨害のやり取りを挟んで貰う以上、もちろん遅いデッキの必要がある。じっくりとアドが取れるデッキ。理想的には妨害されにくい土地をしっかりと並べられるデッキが良いと思う。
例えばケスのWheel of Fortuneは結構向いてると思っている。
まず概念泥棒や聖別されたスフィンクスは採用しうるカードだし、ケスは展開で出遅れがちなので、例えばマーウィン&ズアーなんかのようにぶっぱデッキが二人以上いると、沿岸崩壊などリセットで時間を稼がないと間に合わない。WoFのコンボを無理やり起用することなく、自然と組み込める(もちろんWoF側に相応の理由があればだが)。
印鑑とか適当に並べて構えるプレイングをしていると、自然と程良く出遅れて、相手がわさっと展開したところに妨害のやり取りが発生する。自分はそれを横目に見ながら土地を並べて待つ。ケス自体の能力を生かす上でもロングゲームは大事だし、WoF自体のケスとの相性の良さも噛み合っている。すなわち、本来であれば貯めていたコンボパーツやカウンターを捨てるデメリットがあるのだがケスがいれば後で使える。カウンターも自分のターンで仕掛けるタイミングでは持て余すことなく使える。
ただ、ケスの残念なところは、色の兼ね合いで土地を安定して並べる手段が乏しいこと。ランパンを使い無いのは構わないが、セヴィンの再利用くらい使わせてくれ。アーティファクトを多用すると土地は削って爆発力を重視したくなるが、それはケスでやることではないので、
・多めの土地
・苦い真理など、継続して土地をセットするための細かいドロー
・場合によっては旅人のガラクタや真面目な身代わり
こんな風に、目立たないショボい行動を挟むと良い感じになる。
ただし、もちろんメインに狙うのはタッサの神託者であり、あまりにもコンボから遠回りしすぎてもいけないので、真面目な身代わりまで起用してロングゲームやる気満々にするかどうかは、環境次第で。最低限、土地を毎ターンセットできれば良いかなと思う。ケス存在下で
①タッサの神託者が捲れるまで汚れた契約
②タッサの神託
③墓地から汚れた契約でライブラリーを消す
このメジャーな1枚コンボはケスの展開と、6マナが必要になるので、真面目な身代わりは全く無しではないとも思うけども、土地を並べ続けることと少々の印鑑で十分といえば十分。
とりあえず、今の段階での自分の7ドローへの考え方はこんな感じ。そもそもこの考察はTimetwisterから始まっているのに、相性の良いデッキについて考えはじめた途端WoFしか語ってないが、これはTimetwisterが良い適応と思うデッキを自分が使い込んでいない=相手が使っているところを見ていただけだから。ちゃんとあると思っている。
議論の分かれるカードについて掘り下げてみるのは面白いし、ケスに旅人のガラクタの採用というのは、こういう別角度からみないと出てこない発想。旅人のガラクタが強いかどうかではなく、コンセプトに合致するカードはないかな、青黒赤で土地を追加で置けるカード…といった具合でピックアップされるカードである。ついでにやり過ぎて無限地帯なんていうゴミも入れちゃったりして。
デッキ内のカードについて話すにあたって、既に採用されたという事実がある前提で上から順に語っても、結論ありきでカードの採用側の理由だけを強調しているにすぎない。本来はコンセプトに合うかどうかで組み上げたはずなのに、その根本の理屈が抜け落ちてしまう。デッキのカード全てに理由があるにしても、極楽鳥のようにあまり考えることなく使って良いカードもあれば、Timetwisterのようにいくらでも議論することが出来るカードもある。また直接コンボしない二つのカードの相互作用など、単品の議論では限界なこともある。
最後に、相互作用について簡単に触れると。
Timetwisterについて散々語った後に言うのもあれだが、個人的には3色以上の構える青いデッキならば、苦い真理の方が断然使いやすいと思う(強いかどうかとは別)。Timetwisterは構築側だけではどうしようもない場の状況によって強さが左右されやすく、タイミングを伺うカードである以上、他の採用カード達はすんなりと無条件で使えるものが多くないと、結果的に手札で死に札がふえる。手札で腐るのはコンボパーツの片割れだけではないからね。そういう意味でも「Timetwisterは妨害枠」という僕の意味不明な持論は理にかなっていると思っていて、妨害カードと同じように使いどころを考えて手札に残す場合もあって、考え無しに直接展開できるカードではない。もっといえば、初手にたくさん溜まるほどマリガンの要因になってしまうカード群(コンボパーツや除去など)のうちの1枚で、いつでも気にせず使えてキープ基準になる苦い真理とは大きな隔たりがある。
ややこしい話だ。
というわけで、まとめると、Timetwisterは上手く使うと強い。
冒頭で否定した文面そのままでまとめるとか舐めてるのかと思われるかもしれないが、一言で著すとそう言わざるを得ない。なんてこったい。
実はこれだけ書いても自分の中でモヤモヤしている部分はあって、イマイチ論じ切れてない。もう少しTimetwisterを使い続けて、また何か思い立ったら書こうと思う。
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