1-2ターン目の展開力は凄いがマナベースとしては脆い。キナンが死んでも、マナソースが壊れても大幅なテンポロスである。キナンは単体で使えない。展開力を生かすなら、召喚酔いのあるマナクリは可能な限り減らして茶色中心が良いが、この場合、茶割りでも生物除去でも損害を受ける。

また、玄武岩のモノリスから無限コンボに注目されがちだが、ここに+αがないと勝てず、キナンの生存も考えると実はハードルは高い。

というかマナが重い。

感覚としては古の時代のウーナのコンボに近い。無色無限マナを出しても、そこからワンステップ必要なので、結局は適当な2枚の組み合わせで勝てるものの方がいいんじゃないかと。まあ、青緑にそういったカードは無いのでモノリスは使うんだが。モノリスコンボは最速で振り込むには向いてないので、早い段階でのコンボの可能性を作りつつも、アドを稼いでいく動きが必要。土地を並べ続けるのが安定した動きになるのだが、キナンと関係ないためランパン系は使いたくない。

キナンのマナ加速の強さは他のデッキに対するメリットではない。青緑という欠陥のある色の組み合わせでコンボを考えたときに、他の多色デッキがもっとマナが少なくて出来ることをわざわざ重いカードで誤魔化さないといけなくてそのために余情マナは必要なリソース。そのため、必ずボードで目立って除去を浴びてしまうデメリットがある。


使って思ったのは、4マナ程度のドローの重要性。

初期型はキナンの7マナ起動を主眼に当たり生物を増やしてみたが、キナンの能力を使うことはほとんど無いため、重さばかりが気になる。

1-2ターン目に展開
3ターン目に持て余したマナで何をするか?

ここに合致するのは手頃なドロー。

ドローの良いところは、土地を削りたいこのデッキで、3枚目以降の土地を呼び寄せられるところにある。土地が止まっている状態でマナを伸ばしても、いつか目立って除去されて、結局序盤の動きのほとんどが台無しになる。死の国からの脱出やヨーグモスの意思がないので復帰力も弱い。

もしも対戦相手が考え無しに突っ込む人ばかりだと、キナンの仕掛けるタイミングの絶妙な遅さが、誰かの即死コンボで妨害合戦をした次に噛み合うので、何となく勝率が上がりそうだが、相手が様子見行動を重ねるとアウトだし、2番目に仕掛ける動きだけで言えば、チューター豊富なトラティムが早々にタッサの神託者を叩きつける方が除去耐性も上で、構造的な劣化に成ってしまう。キナンはマナが沢山出ると言っても、コンボのために無駄にマナを消費するだけで、むしろマナ加速をそんなに挟まなくても勝てるデッキには不要なコンセプトで差別化しきれない。

コンボ自体が重くて、ある程度ゲームを引っ張りたいのに、長期戦になると不安定になる矛盾。カウンターで守るというのもあるが、相手の即死コンボへの介入も考えると必ずしもカウンターを使えるとは限らないし、そもそもトラシオス&ティムナのようにある程度のマナベース攻めはスルーできる構築に劣ってしまう(トラティムは攻め手が軽いのでマナが少なくなってもチャンスが無くならないというのもあるが)。

得たマナを別のリソースに変換する事が大事。理想的にはここでカウンターやピン除去を構えて、次のターン以降更にマナ加速とドローを進めたい。

キナン自体が組み合わせで爆発力を上げるカードなので、その点でも手札を増やすカードは相性が良いし、青緑の性質上チューターは重いので、引いて集めないとテンポが悪すぎることもある。3マナのチューターを使って、次のターンにフルタップでコンボを仕掛けて、ピン除去で終了では、さすがに雑魚。色が合うデッキでもグリムチューターなんか使ってないのに、それより弱い幻の漂いは勝つための行動では無いと思った。


ドローについては試しに使ってみた感じとしては、


・数多の声、嘘か真か

使いやすくて安定のカード。さらに調和とか集中も足したくなった。


・リシュカーの巧技、ゼガーナ

自然の秩序→頂点のアルティサウルスで相手のマナベース壊滅プランがあるのでパワーを生かすために入れてみた。爆発力があって面白いのだが、2-3ドロー程度で終わることが多くて微妙な感じ。


・気前の良い贔屓筋

アルティサウルスで壊滅させると使えなくなる。そもそも2ドローは弱い。引くなら3枚以上欲しい。


・熟考漂い

キナンの能力の外れを減らすために入れてみたが、キナンの能力は使わない。


・ネザール

出れば強い。殴り合いもある程度想定されるのでブロッカーとしても嬉しい。


・ティシャーナ

自然の秩序で持ってこられるドロー枠。ゼガーナと違って無色マナを消費できるので残すならこっち。しかし自然の秩序は大半はアルティサウルスを持ってくる。


・リスティックの研究、Mystic Remora

キナンは前のめりデッキかと見せかけて、1-2ターン目にドバッと並べた後コンボを仕掛けるまでには時間をおくことが多い(妨害で対処されやすい上にテンポロスが甚だしい)ので、結局構えてロングゲームを考える。なのでこの二種は必要。



他に考えたいカード。

・逆説的な結果

キナンがいれば印鑑の再展開も容易。使わない理由はないかもしれない。


・未来予知

コンボのかさ増しも兼ねる。現状、モノリスか潮吹きの暴君くらいでしか勝てないので、勝ち筋が薄い。未来予知とセットで入れるエーテリウムの彫刻家やウギンは、茶が主体になるこのデッキでは相性が良いし、逆説的な結果の爆発力もあげる。バネ葉の太鼓、極楽のマントルをしばしば持て余すので、タップしないシステム生物は価値が高いと思う。

返しに対処されて厳しい展開となることには変わりなく、キナンの弱点を補っているかと言われると微妙なところだが、未来予知は普通のデッキが使うと青マナが枯渇して同じターンにカウンターを構えたり別アクションが起こしにくいのに対し、キナンでは青が沢山出る(こともある)ので、悪くは無いかも。

あと、船殻破りに引っかからないって大事。


・7ドロー

もともとリスキーなカードというか、ボードで目立つデッキが使うと対戦相手の除去を一手に引き受けて、手札でコンボを揃えるデッキに絶対に勝てなくなるという欠点があるのでキナンでは使いにくい。キナンがデモコン+タッサの神託者クラスの軽くて妨害を受けにくいコンボを使えるなら考えるが。

7ドローで妨害が潤った対戦相手が真っ先に見るのは、場にあるマナの数。でも、チューター経由で勝つまでの道筋を考えると、キナン生存+7マナくらい必要なのだが、トラティムはジェネラルの生死は不問で4-6マナで勝てる。だから、「バランスを取るため」とかいって場のマナ源を同じくらいになるように破壊されると、コンボまでの道筋が遠くなる分、キナンは一歩遅れる。下手すると土地が並ばない分マナが少なくなる。全然バランスとれてないが、それが普通の対戦相手の心理。それぞれのデッキの動きに必要なマナ数を考えた上でマナベース破壊を行う対戦相手だらけだと良いが、目立つから壊すという動きをする人間が一人でもいると、キナンとしては厳しい。

つまり、7ドローは無し寄り。

ただ、完全に無しにし難いのは、黒がないので自分だけ爆発的に引く手段が限られているため。そもそもEDHでは青のドローは滅茶苦茶強いものは無くて、勝利に直結する黒のドロー、爆発力のある緑にはどうしても劣る。リシュカーの巧技や威厳の魔力で安定して大量ドローできる生物デッキだといいんだが、キナンのように茶を並べても、そこから滅茶苦茶出来るドローがない。

他に選択肢が無いから、枚数を稼ぐために使わざるを得ないんじゃないかという感じ。

7ドローは他のカードを引くドローとの親和性が低くなるので、置物のアド源を沢山配置したい。そうなると上の未来予知は、なおアリ寄りに。

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