膨大な背景知識や専門的な知識をもって理解できることを、素人相手に理解させることは不可能。理解の定義にもよるが、少なくとも同じ次元で語ることは出来ない。

でも、世の中には知識の差がある中で講演や説明をしないといけない場面は多数ある。伝わらないならどうすんの、っていう。

しかし、素人相手に分かった気にさせることは可能。これが上手い人は、多少嘘や事実をねじ曲げるようなことがあっても、ニュアンスが伝われば良いくらいに割り切って適当に話す。1個くらい専門用語を入れて解説を加えると、満足度も上がる。


クソ真面目な人は、正確さに拘ってしまう。特に「~の傾向がある」とか「~の可能性が高い」みたいな、正しい解釈をそのまま伝えてしまうのだけど、これが更にわかりにくさに拍車をかける。断定しきれない、その気持ちはわかる。統計を学ぶと尚更。でも煮え切らない言い方は素人相手に通じないんだ。


例えば。

学歴や収入の高い人の子供は学力が高い傾向にある。


このようなデータを提示すると、大抵は一部の人たちから、

・学力は本人の努力次第
・親の学歴が低くても高学歴の子供はいる

と、反論にもなっていない議論をふっかけられる。前者に対しては、努力の話はしておらず子供の学力を規定する要素は一つではないので別の議論ですねとなるし、後者はそもそも日本語の「傾向」というものを理解していない。

でも、世の中にこういう理解の仕方をする人がいることは事実。この人達に対して学問的に論理的に説得しようとしても不可能。そもそも反論(?)自体が論理的ではないから。

こういった相手に分かった気にさせるためには、相手に合わせて話し方を変える必要がある。

円周率をπと表現して通じるならば、それで良い。相手のレベルに合わせて3.14といってみたり、3と言い換える。3.14も3も厳密には間違いなのだが、相手の理解度を超えた事実を話しても、理解できないか盛大な勘違いをして、どの道自分の考えているものが伝わらない。そういう相手には「1割くらい伝われば良い」と割り切った方が上手くいく。特に相手から返答を引き出したい場合、全く理解されないと、議論が進まない。



というわけで、わかりやすい説明をする人とは何ぞというタイトルを回収すると、

相手に合わせて円周率を3と説明する人

と僕は考える。

この裏には「そのままの事実を伝えても通じないから、解釈によっては間違ってるとは言い切れない程度に事実を曲げたり、場合によってはニュアンス優先で嘘を言っても良い」と思っている人という、ちょっと捻くれた嫌な言い方も追加。分かりにくい説明をする人の方が正直者で良い人かもね(笑)

嘘をついてはいけないと大人の人達は言うけれど、嘘をつかずにわかりやすい説明を出来るのか?もし出来るという人がいたら、小学生相手に円周率は“無理数”で“π”と表現すると、分かりやすく説明して欲しい。

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