Tier1Con予選ラウンドで5-0-2と圧勝して優勝したと話題のデッキ。この結果だけを見て、コーディ最強という人もいるようだが、自分は最強格には疑問があると思う。

とりあえず、アップロードされている動画は見た。

https://youtu.be/aKh3swcutKs
https://youtu.be/4XtFe488_sA

自分はコーディを使っていたわけでは無いので、的外れなことがあるかもしれないが現状での考えを書こうと思う。


まず最初に、EDHで偏りすぎた勝率があるときに考えることは、初見殺し。むかつき(9927)のように初見殺しが極端な勝率を産むことは歴史的に証明されている。自称ガチ勢でカードは揃っていても、知識が浅いせいで半分ネタみたいなデッキへの対処を誤る。

ちなみに9927とは「カウンター3枚使われても2KILLした」などと9戦9勝27人斬りと話題になったデッキ。これだけ聞くとあり得ないと思うのだが、実際には2ターン目のむかつきをスルーされて、後から出てくるコンボパーツに対するカウンター合戦を制したとの話である。ようはわからん殺し。今でこそ、むかつきは即死スペルとの認識があるが、当初はあまりその認識はなかった。正確には、デッキ総コストを30程度にして全部捲るデッキは初期から存在していたのだが、狼狽の嵐や意思の力1枚で死ぬので、ガチ勢相手には通用しないコンセプトであることは明白だった。が、9927出現の背景には、ちょうどEDH人気が高まりつつある中で、カードだけ揃えて意気揚々と当時のトップメタのカードを使い、その人達が知らなかっただけという話である。


それこそ、山96枚世界火デッキも同じ。ポテンシャルは低いのだが、尖りすぎた性能ゆえ、知らない相手から一本取ることには向いている。

多人数戦では1:1以上にわからん殺しのメリットは大きくて、妨害が自分に向かない=他人同士で妨害を打ち合って、相対的なアドバンテージを得られるので、隙を突いてコンボを狙うという戦い方がより現実的になる。


また、コーディのメリットを2-3KILLと論じる人がいるが、これは大したメリットではない。EDH環境で長所をキルターンでしか語らないのはゲームの性質を理解していないと言わざるを得ない。2ターン目にオープンリーチをかけながら3KILLと、手札だけからいきなり3KILLをくり出すのでは、後者の方が優位なのであるし、そもそも3ターン目に仕掛けるというのは妨害が挟まれるのが前提になる。

・召喚酔い
・生物除去
・茶対策

こういった弱点を持ち合わせたデッキのキルターンだけ論じても意味が無い。

コーディにメリットは無いのかというと、そうではない。実は既存のデッキを上回る点もしっかりある。

1ターン目コーディからの2KILLは別格。召喚酔いが絡む速攻デッキで言うと、既存のデッキではマーウィン、セルヴァラは概ね2ターン目登場の3ターン目に仕掛けることになるし、ズアーは2-3ターン目に登場、イドリスは大抵3ターン目に登場と、コーディは一段階早いキャストが期待できる。そして開幕2ターン目以内に仕掛ける行動は、妨害を受けないことを期待してもいいレベル(絶対ではないけど)。この辺は既存デッキの上位互換といっても良い点。だって、召喚酔い込みで3ターン目に仕掛けるのは遅すぎるから、条件付きでも一ターン早くできるのは勝つためには必要な条件。



さて動画内では、コーディの能力を知らない対戦相手がいて、コーディを除去することなくいつまでも生存させている。コーディの能力はマナ能力で間に妨害を挟むことが出来ないので、無駄にアドをとられないようにするには、ターンを帰す前に除去することが正解。その意味では、初見殺しが十分成立している。

そしてコーディが勝ったゲームは、高速キャストが勝因ではない。動画数は少なかったので、これだけで全てを語れるわけではないが、moxfieldで件のデッキを一人回ししても、2KILLだけで無敗で駆け上がれるほどは安定しない。激情の貢献まで増えた今の時代に、全員青い卓で2ターン目に誰も妨害を構えていないゲームは30%くらい(個人調べ)なので、結局は、無視されて隙を突いて拾うゲームが大きいと考える。




余談だが、僕はオープンリーチでボコボコにされて虚無ゲームを繰り返す、たまに勝てる、というコンセプトはあまり好きではなくて、やはり多人数戦での駆け引きとかを楽しみたいので、この結果だけを受けて一つ目のEDHのデッキとしてコーディを組むことはあまりお勧めできない。二つ目以降のデッキとして持つのが良いかなと思う。

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