念願の青緑タリスマン
2019年6月11日 Magic: The Gatheringちょっとした回顧。
ウルザトロンは今でこそメジャーなデッキの一つだが実戦レベルになったのは、おそらくミラディンブロックから。初期のウルザトロンは森の占術、刈り取りと種蒔きで土地を揃えて、歯と爪からファッティを並べるのが主流だった。ダークスティールの巨像だったりトリスケリオンだったり。緑に加えて赤か白を足すのが一般的で、正義の命令を使ったり、ミラーマッチ対策でドワーフの爆風掘りだったりを使用していた。これにはミラディンブロックに赤緑や白緑などの有効色タリスマンがあったこともある。対抗色のタリスマンはなかったので、青や黒は足しづらかった。
ダークスティールで隔離するタイタンが登場した後も、ウルザトロン自体が自分の貴重な色マナを潰して自分の首を絞めることもあって、当初は積極的に使われるものではなかった。1枚くらいは入っていたけど。
フィフスドーンが登場してからしばらくして、状況は変わった。メジャーなものは赤緑か白緑だったが、こっそりと“4色トロン”というものが登場した。実は真鍮の都と大闘技場、ミラディンの核と5色地形が充実していたため、二色も多色もあまり変わらなかった。それだけでなく基本土地を使わない構築のため隔離するタイタンの被害が出ない利点があった。歯と爪から隔離するタイタン×2という既存のデッキでは取れない戦術が主。ただのファッティは除去されて終わることもしばしばあったが、タイタンタイタンは相手の反撃の芽を摘む必殺の一撃になる。
ところで、多色化する利点はなんなのか。
卑下、マグマの噴出という占術つきの妨害カードと、正義の命令や防御円、ドワーフの爆風掘りという既に使われていた対策カードなどを全て盛り込めること。サイドからの早霜もパーミッション相手に有効だった。親和相手には酸化というメジャー対策に加えて機械の行進という〆も用意できた。
その中でも特に卑下が強かった。
歯と爪を打つ最速のタイミングは、タリスマンなどのマナ加速を挟んでも4ターン目。そのため、すき込みを要する緑のデッキ(ミラーマッチ含む)、当時一定数いた赤のランデスに無抵抗になりがちだった。しかし卑下は序盤の隙を一気に解消してくれる。先行ゲーになりがちだったミラーマッチに対して、後攻からでも有利を取れる。そして占術でしっかり自分のパーツを揃えていく。
4色トロンといいつつも、その実は卑下入りトロンといった方が良いかもしれない。多色地形とウルザランドから、卑下を警戒する人なんか普通はいなくて、ぶっささりまくっていた。いわゆるぶん回りはどんなデッキでも対処不能で、最強デッキらしい存在感に惹かれた。多色+ウルザトロンは事故りそうに見えて、森の占術やタリスマンなどのサポートもあって意外と事故は少なく、マッチを取る分には気にならなかった。
この多色化したウルザトロンはビッグマナ戦術よりもコンボといってもよく、“カウンターを擁するコンボデッキ”という僕が最も好きなデッキタイプであり、当時よく遊んでいた友人二人とひたすらこのデッキを使い倒した。
卑下で弾いて歯と爪。
3ターン目タイタン、4ターン目歯と爪。
時折発生する、最強ムーブはこのデッキの一番の魅力だと思う。
しかし4色トロンの活躍期間は短かった。9版で真鍮の都が落ちて、神河ブロックに変わりオンスロートの大闘技場が落ちて、多色化は不可能になった。2色地形と桜族の長老が出たおかげで二色くらいなら何とか組めたが、結局安定性を取って(そして正義の命令やドワーフの爆風掘りがローテーション落ちして)、世の中には緑単くらいしかいなかった。
僕らはどうしたかというと、最強カードである卑下だけ残して、青緑トロンの二色に落ち着いた。やはりミラーマッチ含めて圧倒することが多く、なんでみんな青を足さないんだろうと、ずっと思っていた。例えば当時の高校生選手権の予選のチームスタン(カード被りあり)では、三人全員同じようなトロンを持ち込んで、ほぼ全マッチ3-0で優勝した。ちなみに本戦はリミテッドだったので、全然ダメだったけど(´`:)
ただし、桜族の長老で島を持ってくる動きは本当に弱くて、歯と爪を唱えるスピードが遅くなったり、隔離するタイタンの被害が増えたりとキツかった部分もある。そこで、友人達とずっと話していたことがある。
「青緑タリスマンが欲しい」
青緑タリスマンはまさに最後のピースで、これがあれば本当に最強と言っても良いくらい、素のデッキパワーが高くて、それでもあと一歩足りない惜しいデッキだった。結局念願は叶わなかったけれど、今更とはいえ十数年の時を経て青緑タリスマンが登場したのは少し感慨深い。
4色トロンはwikiにも載ってないようなマイナーデッキで、青緑トロンも神河登場後の日本選手権での優勝を契機に世間に広まったと思うけど、草の根(と、ちょっと大きい大会)レベルでは、卑下が登場後からずっと存在していた。僕らも、卑下を含む多色化トロンの原型はネットでみたことから始まったので、自分たちが起源と言うつもりはないけど、当時は今ほど情報がすぐに拡散したわけではないので、なかなか広まらなかった。だからこそ、友人達との調整も熱が入って、より思い出深いのだと思う。多分一番スタンダードに取り組んでいた時期かな?新セットの新規のカードから思い出話を語るなんて、多分最初で最後だと思うけど、まあ、たまにはこんなこともある。
ウルザトロンは今でこそメジャーなデッキの一つだが実戦レベルになったのは、おそらくミラディンブロックから。初期のウルザトロンは森の占術、刈り取りと種蒔きで土地を揃えて、歯と爪からファッティを並べるのが主流だった。ダークスティールの巨像だったりトリスケリオンだったり。緑に加えて赤か白を足すのが一般的で、正義の命令を使ったり、ミラーマッチ対策でドワーフの爆風掘りだったりを使用していた。これにはミラディンブロックに赤緑や白緑などの有効色タリスマンがあったこともある。対抗色のタリスマンはなかったので、青や黒は足しづらかった。
ダークスティールで隔離するタイタンが登場した後も、ウルザトロン自体が自分の貴重な色マナを潰して自分の首を絞めることもあって、当初は積極的に使われるものではなかった。1枚くらいは入っていたけど。
フィフスドーンが登場してからしばらくして、状況は変わった。メジャーなものは赤緑か白緑だったが、こっそりと“4色トロン”というものが登場した。実は真鍮の都と大闘技場、ミラディンの核と5色地形が充実していたため、二色も多色もあまり変わらなかった。それだけでなく基本土地を使わない構築のため隔離するタイタンの被害が出ない利点があった。歯と爪から隔離するタイタン×2という既存のデッキでは取れない戦術が主。ただのファッティは除去されて終わることもしばしばあったが、タイタンタイタンは相手の反撃の芽を摘む必殺の一撃になる。
ところで、多色化する利点はなんなのか。
卑下、マグマの噴出という占術つきの妨害カードと、正義の命令や防御円、ドワーフの爆風掘りという既に使われていた対策カードなどを全て盛り込めること。サイドからの早霜もパーミッション相手に有効だった。親和相手には酸化というメジャー対策に加えて機械の行進という〆も用意できた。
その中でも特に卑下が強かった。
歯と爪を打つ最速のタイミングは、タリスマンなどのマナ加速を挟んでも4ターン目。そのため、すき込みを要する緑のデッキ(ミラーマッチ含む)、当時一定数いた赤のランデスに無抵抗になりがちだった。しかし卑下は序盤の隙を一気に解消してくれる。先行ゲーになりがちだったミラーマッチに対して、後攻からでも有利を取れる。そして占術でしっかり自分のパーツを揃えていく。
4色トロンといいつつも、その実は卑下入りトロンといった方が良いかもしれない。多色地形とウルザランドから、卑下を警戒する人なんか普通はいなくて、ぶっささりまくっていた。いわゆるぶん回りはどんなデッキでも対処不能で、最強デッキらしい存在感に惹かれた。多色+ウルザトロンは事故りそうに見えて、森の占術やタリスマンなどのサポートもあって意外と事故は少なく、マッチを取る分には気にならなかった。
この多色化したウルザトロンはビッグマナ戦術よりもコンボといってもよく、“カウンターを擁するコンボデッキ”という僕が最も好きなデッキタイプであり、当時よく遊んでいた友人二人とひたすらこのデッキを使い倒した。
卑下で弾いて歯と爪。
3ターン目タイタン、4ターン目歯と爪。
時折発生する、最強ムーブはこのデッキの一番の魅力だと思う。
しかし4色トロンの活躍期間は短かった。9版で真鍮の都が落ちて、神河ブロックに変わりオンスロートの大闘技場が落ちて、多色化は不可能になった。2色地形と桜族の長老が出たおかげで二色くらいなら何とか組めたが、結局安定性を取って(そして正義の命令やドワーフの爆風掘りがローテーション落ちして)、世の中には緑単くらいしかいなかった。
僕らはどうしたかというと、最強カードである卑下だけ残して、青緑トロンの二色に落ち着いた。やはりミラーマッチ含めて圧倒することが多く、なんでみんな青を足さないんだろうと、ずっと思っていた。例えば当時の高校生選手権の予選のチームスタン(カード被りあり)では、三人全員同じようなトロンを持ち込んで、ほぼ全マッチ3-0で優勝した。ちなみに本戦はリミテッドだったので、全然ダメだったけど(´`:)
ただし、桜族の長老で島を持ってくる動きは本当に弱くて、歯と爪を唱えるスピードが遅くなったり、隔離するタイタンの被害が増えたりとキツかった部分もある。そこで、友人達とずっと話していたことがある。
「青緑タリスマンが欲しい」
青緑タリスマンはまさに最後のピースで、これがあれば本当に最強と言っても良いくらい、素のデッキパワーが高くて、それでもあと一歩足りない惜しいデッキだった。結局念願は叶わなかったけれど、今更とはいえ十数年の時を経て青緑タリスマンが登場したのは少し感慨深い。
4色トロンはwikiにも載ってないようなマイナーデッキで、青緑トロンも神河登場後の日本選手権での優勝を契機に世間に広まったと思うけど、草の根(と、ちょっと大きい大会)レベルでは、卑下が登場後からずっと存在していた。僕らも、卑下を含む多色化トロンの原型はネットでみたことから始まったので、自分たちが起源と言うつもりはないけど、当時は今ほど情報がすぐに拡散したわけではないので、なかなか広まらなかった。だからこそ、友人達との調整も熱が入って、より思い出深いのだと思う。多分一番スタンダードに取り組んでいた時期かな?新セットの新規のカードから思い出話を語るなんて、多分最初で最後だと思うけど、まあ、たまにはこんなこともある。
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