EDHキナン

2020年12月27日 EDHデッキ
キナン

勝ち手段は単純明快。しかしそこに至るまでのゲームプランを考えたときに、依然として他のデッキを上回るメリットを見出せない。


昨今のピッチカウンターの増強から、高速でコンボを叩きつけるだけのデッキは完全に終わった。もともと隠遁ドルイドが流行っていなかった(勝てなかった)ように、ターンを跨ぐ高速全振りコンボは、どれだけ早くても雑魚という感じだった。確実に妨害が入る。今では、ターンを跨いで強力な効果を発揮するジェネラルも活躍しにくい。強力な効果であるほど、チューター経由、デモコン経由など、やらなきゃ負けるのであれば頑張ってでも処理される。そのため、この妨害のやり取りを横目に展開できるデッキこそが最良になる。

キナンはすぐに即死するほどでは無いので、無理矢理殺されることは無い。まず、ここが大事。頑張って倒しても比較的再キャストしやすいので、リセットに巻き込む、テンポロスしにくい所で構えていたピン除去を当てられるというくらいでしか処理されない。

ただし、危険生物が処理され尽くした後は、展開で目立つキナンは妨害を貰いやすい。生物除去でキナン処理だけで無く、茶割りも刺さるので、何にも妨害が刺さらないなんてことは少なく、大抵の場合「2番目に妨害を受ける」


一方で、キナンの弱点はコンボが重すぎること。

黒がないというのは本当に致命的。必ず沢山のマナが必要になるにもかかわらず、ある程度展開すると除去やリセットを浴びるため、決められない。ここで無理して聖別されたスフィンクスとかを出しても、逆に自分が除去を吸うことで他のプレイヤーが動きやすくなってしまう。パワフルなカードは、皆が消耗した後に出すべきなのだが、自分が簡単にリソースを増やせるカードを持ってないと、ハイリスクハイリターンのカードを使わざるを得なくなる(そして、こういうぶっぱは大抵やられて手詰まりになる)。


話は変わるが、ログラクフ&テヴェシュはEDHで本当に強いと思う点をいくつか持ち合わせている。これを挙げると

①即効性のあるアド源なので、カウンター以外では妨害されにくい
②生物除去が効かないも同然で、金粉のドレイクなど生物対策が厚くなるEDHでは相対的に有利
③ジェネラルがいなくても、納墓+再活性→ヴィリスと軽い攻め筋があるし、生き埋め+再活性というジェネラル不問の軽い即死コンボがある
④テヴェシュは即効性だけでなく、対処されなかった場合の継続戦闘能力も高い
⑤即死コンボが通らない状況と思えば、ひたすらジェネラルでアドを稼ぎ続ければ良い


これはキナンには一切無い。キナンを使っていて辛いのは、

・コンボが重くてジェネラルの生存が必須であることと
・仕掛けても対処されることが見え見えの場面で暇つぶしの行動が弱い(外れが多いキナン起動のみ、そもそも7マナに届かなかったりする)

キナンが唯一上回る点は、カウンターの存在だけ。まあ、カウンターを使えるというのは大きなメリットでもあるんだが、完全に守り切るのは不可能だし、リセットなんかはむしろ通す選択肢を持った方が良い。キナンが生き残っても、他のプレイヤーの危険な生物を処理できなければ負けだから。


最速コンボだけを狙うなら高確率で3ターン目に仕掛けられる脳筋緑を使う。結局、キナンが他者と差別化し今の環境に合わせて取るべき道筋はどうなるかというと、マナ加速してドローを使い、キナンやマナベースを除去されても復帰しやすいくらいリソースを確保しつつ妨害を構える。キナンを出した直後には瞬間的にマナを沢山出すタイミングがある。ここで再展開や相手に対する妨害に繫ぐドローをうつ、もしくはカウンターを構えてエンドが理想的な形。

使っていて、ここまでは分かった。

しかし、問題は該当する良いドローカードが無い。


純粋に4マナ程度でカードを引けるもの(アドが取れるもの)を増やしたらどうなるか。嘘か真かとか。

確かに初動は安定する。しかし、中~長期戦では手札にダブついて動きにくくなる。

マナ加速やドローは沢山入れるほど序盤の動きが安定するが、一方で増やすほどに、いくら引いてもマナ加速とドローが混在して、“無駄に”マナを使ってデッキを回しているだけの状況になるデメリットがある。

例えばトラシオスデッキは、ドローソースをデッキから削ることで、この弱点を一部克服している。マナ加速に寄せることで引きムラが減ってデッキの動きは安定して
、トラシオスの再キャストや複数回起動も早く達成できる。

また、先述のログテヴェの場合、暗黒の儀式などの使い捨て加速を組み合わせることで、大量にカードを引いたときに、儀式系カード→展開とチェインのように動けるようになる。後引きの印鑑ほどカスなものはないとおもうが、それを減らしてデッキの動きの繫がりやすさに一役買っている。儀式系カード自体も、ジェネラルが即効性のあるドローソースであるがゆえ、初手にあっても腐らないどころかむしろ嬉しい。多くのデッキでは初手の暗黒の儀式はムラがあって、何とも言い難いカードになるのだが、ログテヴェではいつ引いても強くなるという明確なメリットがある。


マナ加速やドローは適当に採用するのでは無く、有効に組み込んでこそ、強いデッキになる。


緑単にありがちな、パッとした動きは全然無かったのに、より良い品物からドロー→ガイアの揺籃の地やニクソスでマナを増やして更にドロー→いつの間にか決まるというアレ。これも、ドローやマナ加速の一部がチェイン向きのカードで、ある程度噛み合ったときに絶大な力を発揮するというメリットがある。


例えば、

調和
嘘か真か
時を超えた探索

弱いとは言わないが、どうも微妙に感じる。これらのカードは、残念ながら「たまたま噛み合ったときに絶大な威力を発揮するカード」ではない。

こういったカードは、往年のクロックパーミッションのような、積み上げた優位を確実なものにしていくような絶妙なプレイングが要求されるが、EDHの場合、上手に立ち回ろうが1:3では何ともならないのでどこかで崩されてしまう。むかつきやボーラスの城塞のような奇襲性のあるイージーウィンが無い以上、尚更、ドローやマナ加速の“組み合わせ”には気を遣う必要がある。


今のところ、キナンに採用しているドローについてコメントすると


数多の声
轟く声、ティシャーナ

即座に手札に入るので安泰。持て余した生物チューターから繫ぎやすい。


原初の潮流、ネザール

聖別されたスフィンクスと違って対処されにくいのである程度のドローは保証されるが、生存すると勝ち確になる以上、しばしば相手も全力で処理してくる。そこで調子に乗って手札を捨てると、結局大してカードが増えていないばかりか、マナを寝かせて卓の妨害を吸う最悪な展開になる。出すタイミングが大事。ヴィリスのように(再活性で)出た瞬間アドを取って、生存することで更にアドを取るものと比べると、勝利への遠さに萎える。


未来の大魔術師
未来予知

このデッキで出来る、数少ないジェネラル不在でもコンボに繫がるアド源。ただしターンを跨がないといけないのが本当にクソ。


まあ良い構築では無いというか、最適解は青緑では無いこと、と成りかねない。

マーウィンの時に嫌だった、最序盤にジェネラルを処理されて沈黙よりはマシだが、キナン自体も、中途半端に目立って妨害を吸って勝てなくなる。この展開が多い。


ずーっと空気で動いて、最後の最後でどん、とするカジュアルっぽいデッキの方がよっぽど強いかも知れない。勝ちが遠いのなら、黙々と土地を置き続けるデッキの方が、自分が相手の妨害を吸って誰かのコンボを助けることも無い。

悩ましいものである。



最後にリスト。未完。


〇キナン

極楽鳥
ラノワールのエルフ
フィンドホーンのエルフ
エルフの神秘家
ボリアルのドルイド
ティタニアの僧侶
幻影の像
金粉のドレイク
エーテリウムの彫刻家
トリトンの英雄、トラシオス
刻み角
粗石の魔道士
戦利品の魔道士
船殻破り
永遠の証人
ファイレクシアの変形者
最高工匠卿、ウルザ
種子生まれの詩神
未来の大魔術師
轟く声、ティシャーナ
原初の潮流、ネザール
潮吹きの暴君
頂点のアルティサウルス
歩行バリスタ

神秘の教示者
俗世の教示者
加工
異界の進化
自然の秩序
呼応した呼集
緑の太陽の頂点
破滅の終焉
召喚の調べ

Mystic Remora
師範の占い独楽
Timetwister
リスティックの研究
嘘か真か
逆説的な結果
未来予知
海門修復

否定の契約
狼狽の嵐
白鳥の歌
マナ吸収
激情の後見
否定の力
意思の力

有毒の蘇生
蒸気の連鎖
急速混成
猿術
サイクロンの裂け目

威圧の杖
求道者、テゼレット

魔力の墓所
モックス・アンバー
金属モックス
水蓮の花びら
極楽のマントル
バネ葉の太鼓
太陽の指輪
アーカムの天測儀
極楽のマントル
予言のプリズム
シミックの印鑑
好奇のタリスマン
秘儀の印鑑
玄武岩のモノリス


土地 30 (+1)
冠雪の森 6
冠雪の島 4
繁殖池
Tropical Island
溢れかえる岸辺
汚染された三角州
沸騰する小湖
霧深い雨林
吹きさらしの荒野
深緑の地下墓地
樹木茂る山麓
虹色の眺望
ヤヴィマヤの沿岸
冠水樹林帯
回復の温泉
統率の塔
禁忌の果樹園
マナの合流点
真鍮の都
宝石の洞窟
古の墳墓
ガイアの揺籃の地

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