むかつきで全部捲って勝ちというのは、EDHの黎明期から存在したコンセプト。当初はデッキの総コストを40程度に抑えて、魔力の墓所や吸血の教示者のような通常使われる強カードだけでなく、自爆ランドや変性まで駆使して、とにかくむかつきを打つことに特化。

参考になるか分からないが、そもそもリストが残ってないので思考実験用のメモでも貼ってみる。

https://wwwwwwwwwwwwwwwww.diarynote.jp/201201210204162315/

このデッキは1KILLは難しいものの、2-3KILLは安定しているのがメリットだったが、ネタが割れると、狼狽の嵐などを構えられ続けて死ぬという欠点がある。ネクロポーテンスなど追加して、むかつき以外の攻め筋を厚くする方法も考えられたが、結局のところ「初ターンから構えられると負け」を抜け出せず、長期戦になると勝つ見込みがないので、大成はしなかった。

何よりも虚無時間が長くて詰まらないので、調整する気が起きない。

最近では、ログラクフを統率者に据えた特化デッキが同様の構築として再注目されている。説明するまでもないと思うが一応補足すると、ログラクフを統率者にすることで、弱者選別、バネ葉の太鼓、悪魔の意図などを使いやすくなり、他のデッキでは真似できないような初速を生み出す。これとむかつきの相性は勿論良い。1-2KILL率は初期型むかつき特化デッキよりと明らかに上。

しかし、一方で妨害カードのラインナップも充実している。否定の力、激情の貢献のような0マナカウンターが増え、1ターン目の耳の痛い静寂など詰み要素もある。2ターン目に出てくる溜め込み屋のアウフだって、十分刺さる。

構え続けられると負けというのは、やはり変わらず持ち合わせている弱点。


ただし流行り廃りは大事な要素で、今ログラクフがアツい=皆が使う=卓に青が少ないと妨害しきれないのでログラクフ(のうち誰か一人)が勝つという循環を繰り返すうちに、ログラクフが爆発的に増える。ログラクフ合戦になると、出来る限り軽く、特化したデッキが強いので、総コストを落として自爆ランドまで積み込んでデッキをシャープにした構成が生まれるはず。

どこかで青が盛り返すと、結局構え続けられて勝てなくなるので、相手に構えられた時に無鉄砲に突っ込むしかないデッキではなく、リソースを稼げるデッキが生き残る。ログラクフではない統率者で奇襲をかけてむかつき特化みたいな者が勝てるようになる。結局、このゲームは相手から無視されることが最強の動きなので、暴れて流行ってマークされ続けるのが一番キツい。

最速を追求するほど、カードパワー的にはかなり弱いものを積んでいかないといけないので長期戦に弱くなりすぎるが、一方で最速特化にしなくても2KILLは狙えるし、構えられても突撃以外の選択肢が生まれるので、コンボに突っ走るしかないデッキを囮に、有利な支配運びが出来る。

・最速を追求
・ある程度の速度は保ちつつ、器用さも確保

こういうコンセプトによって採用カードは当然変わるのだが、個人的に大きいと思うのが印鑑やタリスマン。最速構成ならば、当然無し。しかし弱者選別、業火への突入と生け贄にするカードを重ねるとダブったときに弱いし、構えられてるときに一ターン様子見が出来ないので、それを嫌って印鑑を使うという選択肢はある。デッキリストを見るときに、ここに着目するのは、構築者の意図を分かりやすく見分けるポイントだと思う。

どちらを狙うかは使い手次第だが、EDHが基本的に身内での対戦が多いことを考えるなら、個人的には圧倒的に後者。特化しすぎたデッキは、1ターン目に露天鉱床を受けるなど、理不尽な妨害を受けてしまう。まあ、実はこれも理不尽ではないんだけど。青くて構えられるデッキ以外は、先に除去なり妨害を使って、相手の出鼻を挫かないと勝てないから。

過剰なまでの妨害でゲームにならなくなるというのは、ズアー、初期むかつき、エドリックと歴史が証明している。安定高速コンボのイナーラはいつの間にか消えたし、ネタが割れて狙われて勝てなくなる、というのはEDHでの宿命。自分はあんまり大会には出ないけど、見知らぬ人との対戦で一番大事なのは

・相手に対策が浸透していない高速コンボ
・相手に手の内がバレて的になる高速コンボと同卓で、2番手を狙える速度を担保しつつアドや長期戦を意識

ぐらいではなかろうか。

相手に放置され続けて勝つプランも無しではないけど、チャンスに差し込めるデッキが良いよね。


現在の自分のログテヴェの起源は、黒単(に近い多色)でむしろ遅くてアドが取れるジェネラル(ヨーグモスやルールス)で盤面を整えて、隙を見てヴィリスを再活性するような遅くて漁夫の利を狙うところからスタートしていたが、ログラクフとテヴェシュの組み合わせで速度とアドを両立できることから、乗り換えた。ログラクフのヘイトが上がるようなら、つまりは積極的に除去を当てられて、ログラクフをFoWされたり、疫病を仕組む者まで使われるなら、次のデッキも何か考えたいところ。

最近では、自分の環境ではセラの高位僧が流行って、テヴェシュ側からすると大分キツい。クラムは重いし殴ってくるときに除去を合わせやすいし、最悪一回くらいは殴られても耐えられる。二回ドロー能力を使えば十分。

しかしセラの高位僧はドローするテヴェシュをワンパン。しかもテヴェシュよりも先に出てくる。少しゲームが長引くと、すぐにライフが危険域になってしまうので、次の行動もどんどん制限されていく。ただ単にライフをやり取りするカードは弱いと思われがちだが、セラの高位僧+ティムナはドローとライフアドを兼ねた強力な組み合わせだし、ティムナからもむかつきが飛んでくるので稼ぎすぎたライフが無駄にならない。

セラの高位僧の厄介なところは、二人以上のプレイヤーが出すと、結託してくるところ。セラの高位僧で殴り合いは不毛なので、暗黙のうちに別のプレイヤーを殴るのが定石。セラの高位僧を出したり、早い段階でコピーできないとたこ殴りに合う。


この辺りから最近自分が考えているのは、黒くてライフを使う高速コンボ+セラの高位僧やカンバールなどのライフゲイン。これを使いこなす統率者として、ブリーナやマルチェッサ女王。ログラクフへの対策が厚くなるまでは、ログラクフ+ティムナで速度両立もアリ。

ライフゲインから始まると、初期の殴り合いから一抜けして、悠々と場を整えて他人のやり取りを見ていられるし、上手いこと2番手を狙える。白い妨害カードはカウンター並みに強くて、沈黙は勿論、同じようなカードのイーオスのレインジャー長、オアリムの詠唱、中断と採用すると、自分のコンボの助けになるだけでなく、相手のむかつきに対応して打つことで擬似的にカウンターとして使える。もっと言えば、むかつきは通して、次に出てくるモックスに合わせて使えば、カウンターよりも後に使えるので妨害カードを温存しやすい。


次の時代は黒白。

最近はなかなかプレイする時間も取れないので、早めからちょっとずつ調整したい。

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