先日に引き続き土地についてもう少し考えてみようかと。

期待値は大事な考えなんだけど、ちゃんと計算しないと、実感が伴わない。

例えば

・99枚デッキ
・土地33枚

をベースに考える。


まず、3ターン目に3枚目の土地を置ける確率はどうなるのか(マリガン無しで)。

EDHでは先行ドローがあるので、常に初手7枚+3枚ドローの10枚のカードが手に入る。期待値的にはちょうど土地3枚になる。では、確率はというと、


71%程度になる。


あれ?思ったより低いな、と思う。

これは、色んなゲームをやる上で結構大事な考え方なんだけど、期待値以上の成果を得られる確率は、計算してみると案外低い。無視できないレベルでの確率で、期待値未満の成果となる。


まずはマリガン無しを想定したが、

・初手の土地が1枚以下ならば1回のフリーマリガンを使う
・フリーマリガンした後は土地枚数によらずキープ

という条件をつけるとどうなるか。概算すると

①初手で土地3枚以上→0.43
②初手で土地2枚+3枚ドローのうち1枚以上土地→0.32×0.71
③初手で土地1枚以下でマリガンして、10枚引いて土地3枚以上→0.25×0.71


①+②+③
→82%

マリガン一回で、3ターン目に土地3枚以上というのは、71%→82%と上がった。

もう一回マリガンしても良いと思うので、初手土地1枚以下だったときにロンマリを更に追加すると仮定する。ロンマリした後は土地枚数によらずキープしするとして、3ターン目までに土地が回ってくる枚数はどうなるか。途中、ロンマリで戻すカードとか考えると計算が複雑なので誤魔化して概算すると

土地3枚以上→87%


マリガンのおかげで想定したゲームが出来る割合は71%→87%となかなかになった。マリガンというシステムの有り難さが分かる。


しかし、マリガンしても期待値通りの成果が得られないゲームが7回に1回くらいあることになる。

多いな。

(※今日の話だと、この書き方は良くないが、あくまで分かりやすく書いた)。

更に、上記計算は土地枚数だけを考えたので、スペルの噛み合わせや色事故を加味すると、ちゃんとゲームできる頻度は、もっと少ないとさえ思える。

しかし、どうしてこれでもゲームになるのかというと、

★金属モックス、魔力の墓所、太陽の指輪など、事実上、土地が1枚少なくても動けるようになるカードの存在(勿論、最大限にマナ加速を生かすには土地を必ず置くべきだが)

★ドロースペル

★チューターで土地を持ってくる(どうせならガイアの揺籃の地のようのパワフルなカードが良い)


こういった理由による。

また、土地以外の土地を代替するカードの存在が大事。今回はマナスクリューしか語っていないが、同じようにマナフラッドが起きるのもそうだし、期待値的な絡みで言うと

・1マナクリ
・キープ基準になるコンボへのアクセス手段

なども、大体10-15枚前後で期待値1くらいを目指すが、これらだって、10-20%くらいで3ターン目までに引けないのである。

土地、マナクリ、コンボパーツ…期待値通りに引かないといけないカードが増えると、こういった確率が積み重なるので、全部同時に満たすのは難しい。

そうなると、大事になってくるのは、デッキの対応力の高さ。特定の役割のカードが欠けるというのが、それぞれ無視できないレベルで存在するので、これをどう扱うかが鍵になる。採用しているカードの割合だけでは解決できない。


例えば、1マナ以下のマナ加速が14枚入っているデッキは、「初手の期待値が1くらいだから、デッキが安定する」というのは間違い。そのデッキが安定しているなら、マナ加速以外の1マナの選択肢(例えば吸血の教示者→魔力の墓所)があることである。もしもチューターもカウントしているとしたら…

2ターン目の2マナのアクションを追加しないと、期待値に期待する安定した動きにはならなくなる。



そして、ここで当然出てくる考えは「統率者が軽くてドロースペルだと安定する」である。期待値通りに土地を引けない確率は高い。デッキ内に大量のドローカードが無いとこれを補いきれないが、統率者だけは別格で、必ず使える保証がある。ここに軽量のドローがハマるとデッキの安定感が格段に上がる。

勿論、統率者がマナソースでも良い(しかしこの場合はマナフラッドには対応できない)。


考えてみると、自分の今の手持ちのデッキは全て、この要請を満たしている。

トラシオス&ティムナは、土地2枚(+マナクリ)でティムナを利用してドローできる。

ギランラ&東の樹の木霊は、土地2枚枚(+マナクリ)でギランラというマナ源を確保できる。3枚目の土地を引きに行く時にドローに使えるマナが少し増える。

ログラクフ&テヴェシュは、デッキ内に沢山ある儀式系カードを組み合わせれば、土地1-2枚でも統率者の3ドローに辿り着くことが出来る。


何となく、合う合わないで手元に残ったデッキ全てに明確な共通点が見つかった。やっぱり、統率者というシステムは心強い。こう考えると、デッキの安定性に寄与しない統率者は、それだけで大きなデメリットだし、統率者が除去され続けると、すぐにゲームにならなくなるのが分かる。





おまけ

上記ではフリマリ1回+ロンマリ1回で、3ターン目に土地3枚を置ける確率は87%と求めた。これは、ロンマリしたハンドは土地枚数によらずキープする計算だが、ここで土地1枚以下だったときにさらにマリガン(初手5枚)にするとどうなるか?さすがにここまで来ると土地枚数に拠らず最後のハンドはキープで、ロンマリで戻すカードはあまり考えず概算すると、88%。もはやほとんど変わらない。

土地の枚数しか計算していないが、ここから見えてくるのは、一般に特定の役割のカードを求めてマリガンし続けるのは限界がある。

勿論、これは確率なので、ロンマリ二回した後に、次のハンドでちゃんと土地が来る確率とは違う。過去のマリガンは次の初手とは独立しているので、今の手札をマリガンして次の手札でちゃんと土地が来る確率は、最初に計算した71%である。僕はこれを分の悪い賭けだと思うので、初手はまあまあのところでキープするのが良いと思う。


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